新しい風


あたしはゆっくりとその背中に近づいていって初めて座って下を向いている彼の前に立った



彼の顔が上がっていきあたしの目と彼の目が交差した

時が止まったような気がしたー…


しばらくお互い何も話さず見つめあっていた

いや実際は一瞬だったのかもしれない

時間感覚が痺れるほどあたしは彼の瞳に吸い込まれていた


あたしの中で果てしなく長い時間がたったとき


「何?」


彼の口が動いた
あぁこの声…

この声をたった一度しか聞いていないのに懐かしく思うあたしはきっといかれてる


「なんでここにいるの?」


答えられずにいたあたしに再び声がふってきた

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