隣人高校生
初めまして
――――ピンポーン
この軽快なリズム音のような音が、
私の、始まりだった。
「ふぁいふぁい…」
どうやら向かい扉の向こうにいるのは礼儀がなっている者のようで、チャイムは一回、そのあとドアを叩いたり再びチャイムを鳴らしたりはしなかった。
まぁ、そんなことしても待ってもらわなあかんのやけど
今ハミガキしてる途中やし…
口の中でシャコシャコ言ってる音も、チャイムが鳴ったりすることで消されるわけではなかった。
「あースッキリ。キラキラしとぉやんか!」
オッサンみたいやけど、うちの性分はこんなもんや。
やけん、この大学生活一年間までに男と付き合ったことは一度もあらへんし、今やってない。
でもやっぱり一般的に美男子とか言われてる人みると気になるし、彼氏持ちの子とか見てると悲しなる。
でもなぁーあたし、他人に触れられるってだけでむず痒いねんよ。弟は「好きな女やったら違う」なんて言いよるけど友達相手でもむず痒くなるあたしはどうしたらええんや!
「今出ますー」
扉越しにそう言って、ドアを開いた。