隣人高校生
「はぁ」
「お疲れ様です。」
家に帰り鍵を開けて入ろうと溜め息を吐いたところだった。
「なんでいんねん!今日あたし昼までやったんやで!?」
「僕も昼まででしたから。」
「・・・・・・」
あかーーーん!!
何しゃべってええんか全然わからへん!!
会話が続かん…。
何言ってもニコニコニコニコ…
そんな素敵すぎる笑顔あたしなんかに向けんといてっ!刺激が強すぎるっ!!
「……………葎さん?」
「…え、」
「入らないんですか?部屋。」
「あ、あぁ、入る。入るよ」
ガチャ、と玄関のドアを開けて入る寸前、
「…葎さん」
ドアノブを引くあたしの手に、乗っかるは美少年の手。
「っひゃっ」
冷えた空気と対照的な温かい手が触れたとき、驚きすぎて反射的に手を引いてしまった。
うわ自分…今めっちゃもったいないことしたんちゃう…?
そんな風に思いつつもそんな風に思う自分に疑問を抱き、意味もなく触れられた手を握ったり開いたりする。