海に届いた手紙
病院に向かった。

達哉の病室の前には、結衣が立っていた。

「結衣…。」

「あ!奈美!よかった……」

結衣は、安心したように私に抱きついてきた。

「どうしたの?」

「心配で……」

昔から甘えん坊の結衣は妹みたいな存在で、可愛かった。

「せっかくだから…達哉に会っていったら?」

「え…いいの?」

「うん。」

「達哉ー…結衣が来てくれたよ。」

眠った達哉に普通に話しかけている私を見て、

結衣は、信じられない顔……

変なものを見るような目だったけど……

来てくれたことが

それでも

達哉に会ってくれたことが

嬉しかった。
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