*CrimsonDoll【さみ短】

少女は抱きかかえている青年に何の温もりもないことを感じていた。



白衣が冷たい訳では無い、人にあるその体温が全く伝わってこない。頬に触れる。やはり冷たかった。



朝まで放置してしまえば氷になってしまうのではないか、と少女は思った。





「”死・・・・・・？”」




ああ、それだ。


ご主人様は死んでしまったのだ。




あの変な男に殺されてしまったのだ。




何故？




それは、ほとんどが真っ赤に染まってしまった白衣が物語っていた。血を、流しすぎたからだ。





「（”私の使命はご主人様に仕えること・・・・ならばご主人様がいなくてどうやって私は生きれましょうか？”）」




雪はやがてその白さで赤を包み込み始めた。




「（”血さえあれば・・・・ご主人様は生き返れるのでしょうか・・・？”」