僕たちは回り続ける
「えーやだぁ」
無理やり理生を席に着けたとき、チャイムが鳴った。静香はあわててその場から去り、駿は黙って自分の席に着いた。外に視線をやり無表情にどこかを見つめていた。
梓の席からは外が見えないのでまねすることはできないが何を見ているのかは気にかかる。あそこからは確か玄関が見えるはずだ。
玄関に何があるのだろう。
何かもの珍しいものでもあっただろうか。引っ越してきたばかりの駿の基準では、すべてが初めてなのかもしれないけど。