僕たちは回り続ける
 無邪気な表情は年相応のもので思わずこちらもほころんでしまいそうだった。


「ちょっとトイレ」


梓は尿意を感じて立ち上がる。我慢できないほどではないが、この風景を眺めているといつ笑いだすかわからない。きっと笑ったとたん駿に怒られえるだろうに違いない。


「左まっすぐ右左な」

視線はすでに本に張り付いたまま駿。

思わずほほ笑みをこぼしながら部屋を後にした。
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