僕たちは回り続ける


「僕は、不吉だから」

「どうして?」


面で表情は読み取れないが、淡々とした声にいは聞こえるがよい気分ではないだろう。

それでも聞いてしまうのは何故だろう。彼から離れてしまえば良いとわかっているのに牽き付けられて止まない。


「生まれつき、18年しか生きれないと定められた愛人の子」

「どうしてわかるの?」

「殺されるから」


思わず言葉が詰まる。


「毒を小さなころから盛られてもう、ほら」


着物を手繰りあげて腕を差し出す。青白い棒のような手に目が釘付けになった。握りしめたら折れてしまいそうだ。


「小さなころに聞いてしまったんだ。騒ぎにならないように僕を病弱だとして育ててそのうち殺すって」


「そんな、酷い……」


「本妻の子が駿。駿の友だちだろう?羨ましいけどね、仕方ない」

「…………私が友達になります」

「有難う。僕は義則。きっと……もう会うこともないだろうけど……」

「中岡っ」


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