僕たちは回り続ける
「小さい頃に、合って最期をみとる約束をしたの。ただ、それだけ。同じ幼稚園だったし、同じ学年だったけど……接触はなかった」
「ふぅん……妙な約束だな」
「あんた体弱い?」
見るからに頑丈そうな駿に梓は疑い深く聞いた。
「嫌、健康体」
「じゃあ、どうして死ぬなんて事」
「しらねぇよ、俺が聞きてぇ」
「まあ、体って生きてるから……覚えてないのは手術の影響かもしれないし」
「どうだかな。それより戻るぞ。静香が暴れだす」
怒られるかもしれないが梓にはその様子が一発で想像できた。なんで梓と一緒にいるのか駿に問い詰めるに違いない。
下手すればその矛先が梓に向けられるかもしれない。それは困る、すごく困る。
「しゅううううんんんん」
静香はとび蹴りで梓をのけてから駿に抱きついた。うーん、まさに一撃必殺。梓は床にめり込み、理生がそれを掘り起こす。
「遅かった! 待ったわ!」