僕たちは回り続ける
「それに、私の姉プロのメイクさんだから、化けるよ」

それは初耳だ。特殊メイクでも施せばいいのだるうか。梓は一般的には買うわいい部類だが、それはあくまで一般であり芸能人と比べれば見劣りする。


「なら理生がすればいいじゃん」

「あたしぃ?」
 

理生が顔をしかめる。そんなに嫌がるようなことだろうか。


「……昔もぐりこんでばれたから無理。トラウマ」

「それより、お姉さん伝いで知り合うほうが早くない?」

「そーね、その手もあるわね」
 
ちびちびとコーラを飲みながら理生は頷いた。

まあ、乗り込み作戦も楽しそうではあるが。梓はジュースを飲みほしゴミ箱に缶を投げ入れた。ふぅ、とため息を漏らしぐんと伸びをする。

理生は携帯をいじり姉に電話をかける。


「もしもし、おねぇ?」
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