僕たちは回り続ける
「あらぁ思ったより華やかじゃない」
理生の姉澪は品を作って褒め称ええた。
……男物の服で着飾られた梓を。長い髪はうぃっぐの下に収め、メイクは抑えめに。腰の位置でばれないように緩めのズボンを選んだ。
理生の家の澪の部屋で3人は集まっていた。
「納得いかない」
梓は不満を漏らした。自分でも似あうとは思う。むしろ、それが悔しいのだ。女のときの自分よりも優れて見えるというその事実が。
「何がよー、いいじゃん。メンズジュニアのモデル募集。審査員にジルがいるのよ??あの引きこもりのジルが出るのよ?くぅー、私も行きたい。でもこの巨乳が邪魔をする……」
事実理生の胸はそれほどでかくはない。梓が薄い……基貧乳なだけだ。
できることなら代わってやりたい。ジルもビルも興味はない。しかし、駿の正体は気になる。