僕たちは回り続ける
「駿―!!」
教室へ入って真っ先に聞こえたのは甲高い静香の声。目の前を台風のように通り過ぎると勢い奥駿に抱きついた。下に二つバラそして、巻き毛。巨乳を押し当て激しくあぴーる。
理生はそこの間に割って入ると
「あたしも混ぜて!」
飛び込んで行った。否、突っ込んでいった。当たり前に三人は転ぶ。下から、静香、駿、理生。
教室中どころか廊下まで騒ぎだす。
「あーん」
転んだまま静香が声をあげて猫のように駿にじゃれついた。
「見事なドミノ倒し」
上から眺めるように梓は呆れつつ3人を見た。俺を混ぜるなと駿が眼で訴えているが気のせいだ。そう、きっと気のせい。胸を押しつけて静香は迫る。駿は冷静なふりをしているがいつもより顔が赤い気がした。