スターダスト
「どういうことか…全くワカリマセン。」

私は、ほんの少しだけ働く頭を使い、やっとの思いで言葉にした。


「どういうことって?」

満面の笑みで、いつの間にか「何か」に近づいて撫でている男の人が、私に振り向きながら、質問を返してきた。


…わからない事は、素直に聞こう…。


「それは…人…じゃないですよね?」



「………。」

私がしゃべり終わるのと同時に、男の人が…固まった…。


「…お前、頭打ってたのか。」

ハァ…とため息をつきながら、男の人が私の目の前まで歩いてきた。
そして、顔を私の顔の高さまで下げると、私の顔を覗き込むようにしながら、真っ直ぐ視線をぶつけてきた。

「お前、名前は?」

「…え?」

「名前だよ。名前。」

「春日…咲。」

「名前は…覚えてるのか。」

ビクビクしながら答えると、男の人が益々覗きこんできた。

そして…男の人の…手のひらが………私のおでこに…。

「………!!!」

私はビックリしすぎて、その場にしゃがみこんだ…。

だって…人に触られたのは…記憶にある限りでは…初めてだったから…。



「…ま、とりあえず、家の中に入れよ。少し、休め。」

あまりのパニック状態の私に痺れをきらしたのか、家の中に招いてくれた。





ドアに手をかけると、男の人は思い出したかのように、私に振り返った。


「あ、俺は佐久間 涼。よろしくな。」




…この人から、光が出ているかと思った。人間から、光って…出るの?



私達と「何か」は、家の中に入った…。

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