紅い月と蒼い月






そして放課後



「おい遊佳!!」



「海斗?どーしたの」



「満月には気をつけろ」



「え?」



「数十年前の古墳事件が原因だったウィルスは満月の潮の満ち弾きが関係していたらしいんだ」



「朝にも…魅佳が『満月は力が使えない』って…感覚ね…」



「一昨日が満月だったんだ」



「そう…だったの…」



「満月には気をつけろ」



「でも大丈夫よ…病院に行くから」



「俺も着いて行こうか?」



「大丈夫よ…魅佳だもの」



「そうか…」



ガタンッ



「遊佳…行くなら早く」



「あっごめん…じゃあね海斗」



「じゃあな…」



タッタッタッ



「克之叔父さん…もっと詳しい事…教えてくれよ…流風叔母さんには…双子の流水さんがいたんだろ…なんで隠すんだよ…」



「ねぇ…魅佳…道…ちがくない?」



「気のせいよ…それに朝言ったハズよ満月じゃないから…力は使えないってね」



「だと良いのだけれど…」



ザッ



「あっ数馬?どうしたの?今日は部活休むの…魅佳もだからね」



「…………」



「数馬?(様子が変…)」



「数馬…遊佳を殺して」



「……………」



ガツッ



「つぅ…魅…佳………どうし……て……」



「言ったでしょ
満月だから力は使えないって…だから力を使わずあんたを殺す方法を見つけたのよ」



「それで…数馬を?」



「まぁそいうこと…あんた朝に『ウィルスに感染』してるかもって言ったわよね」



「言ったわ…」



「本当に感染してるなら広めてやろうと思って唾液感染させてやったの
そしたら成功したってわけ
さぁ数馬殺して」



信じられない…数馬をよく知ってる…



小さくて…生意気で…でも優しくて…



今の数馬からは…優しさも…感じられない…



まるで数馬じゃないみたいに…



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