紅い月と蒼い月






これは悪夢だわ…



信じたくない…



数馬は…優しさが感じられる子だもの…



でも…数馬は優しさが欠けている…



事実…なのよ…



だから信じたくない…



数馬を知っているから…



「やめて!!魅佳…
数馬を戻して…」



「数馬はあたしの操り人形も同然…」



「数馬!!目を覚まして!!」



グイッ



魅佳が唾液感染させたなら…



何故かは分からない…



今は…自分の唾液を導入して中和させるしか…



「プハァ…苦し…」



ゴホッ



「良かった!!数馬…」



「遊佳?なんで此処にいるんだよ?部活は?」



「戻ってる…」



「魅佳…貴女だけは許さない…あたしだけでなく他人まで巻き込んで…」



「おっおい遊佳?
二人共喧嘩したのか?」



「遊佳…あんたはまだ甘い…あたしは海斗が欲しいの!!その為なら他人なんかどうだっていい!!」



「魅佳!!止めて!!
貴女が例えあたしを殺しても海斗は貴女のにはならない!!」



「それはどうかしらね」



「なんかよくわからんが部活行って良い?」



「数馬…行って…部活に」



「分かった」



タッタッタッ



「そんなにあたしを殺したいの!?」



「………」



「海斗はあたしを選んでしまった…でも…あたしを殺した所で何も解決はしないんだよ」



「満月じゃないから殺せないだけ
満月が来たら…覚えてなさい
満月に近付くにつれ力は膨大して行くから
いつ寝首を掛かれるか覚悟してなさい」



フワッ



トスッ



「魅佳…」



やっぱり海斗は別れなくてはならない…



魅佳の機嫌を直す為に別れるんじゃない…



自分のけじめをつけるために…



別れるの…



運命って残酷ね…



それでも別れてくれなかったら…



どうしたら良いの?



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