紅い月と蒼い月



タッタッタッ



海斗…



「数馬から話聞いて…魅佳は?」



「逃げた…わ」



「そうか…」



「ウイルス説は…事実だったわ…」



「…克之さんと流風さんに会いに行こう…そして…数十年前の結末を聞いてこよう…」



「誰?」



「数十年前の古墳事件の関係者…だ」



数十年前のウイルス事件の関係者?



「大丈夫…俺の親戚だから」



話を聞いてみたい…



お母さんにも…事情を知ってほしい…



相談できる人が海斗だけってのも…



お父さんはいないから…



「一回家に来て…」



「分かった…」



ガチャ



「ただいま〜」



「おっかえり〜」



「あのさ…海斗…説明してくれる?」



「克之さんと流風さんを知っていますか?」



「知ってるわよ〜
同級生だったもの〜
陸上部だったはずよ確か
でも…流水が…」



「流水さんの死の謎を知りたく有りませんか?」



「知りたかったわ…
流水が何故…死んだのかって…
海斗は知っているの!!
なら教えてちょうだい!!」



此処まで感傷的なお母さんは初めて見た…



「あの…じゃあ家に呼んでも…良いですか?」



「良いわよ…そのかわり…全てを話して…」



「分かりました…」



「電話使って良いよ」



「借りるな遊佳」



ガチャ



ピッポパッポピッ



トゥルルトゥルル



ガチャ



『はい小早川ですが』



『あっ菊地ですけど…』



『あらっ克之に用?』



『はい…克之さんを出して下さい』



『ちょっと待ってね』



『なんだ…海斗か』



『今すぐ…沙織さんの家に来て下さい…』



『沙織?あの沙織か…』



『はいそうです』



『分かった…流風も連れってた方がいいか?』



『はい』



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