紅い月と蒼い月






放課後



「ねぇ…海斗…嫌な予感がするの…」



「分かってる…俺もだ」



「早く…帰りましょう!!」



「部活は…」



「そんなの後!!」



「県大会が控えてるんだぞ?」



「部活は止める!!」



「(時に思う…魅佳のような激しさを持ち合わせてると…)」



「ねぇお願い!!」



「分かった」



タッタッタッ



「ちょっ早いぞ」



「急がないと…」



「待ってくれ〜」



ガチャ



「………」



「ようやく追い付い………た……」



「お母さん………」



血が滴り落ちて倒れている沙織の姿



片手には刀を握っていた



そして…貫いた後の内出血痕



「魅佳に…やられたのね…」



「……克之さん方を呼ぼう…」



「イヤァァァァァ!!」



トゥルルトゥルル



ガチャ



『はい小早川ですが』



『海斗…です…今すぐ遊佳の家に…来て下さい…沙織さんが…魅佳に…殺されました…』



『沙織が!?』



『はい……』



『分かりました…』



ガチャン



「遊佳…克之叔父さん達を呼んだよ…」



「ねぇ…なんでこんな目にあわないといけないんだろう…」



「遊佳…」



「なんで無関係な人まで殺されないといけないんだろう…あたし達が生きてると…こうなってしまうの?」



「それは違う!!」



「海斗…」



「魅佳を説得しよう!!」



「無駄よ…今の魅佳は…説得してどうとするわけでもない…」



「それでも…希望を捨てちゃいけないんだ!!」



「魅佳は…あたしが殺るしかないのよ…
この連鎖を終わりにする為に…」



「遊佳にはできない」



「魅佳に対抗出来るのはあたししかいないの!!」



「君に魅佳を殺せるわけがない…親友だったからだ」
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