紅い月と蒼い月





ガチャ



「おじゃまします…」



「ここは貴女の家よ」



「ただいま…」



「お帰りなさい」



「おっ遊佳ちゃん帰ってきたんだね」



「はい…克之さん」



「ささっ入って」






「で…今日は梓のお父さんが協力してくれる事になったの」



「梓ちゃん?」



「あたしの友達…
椎名 梓…」



「椎名……椎名先生のお孫さんか…」



「そうなんだ…」



「学校はどうだったの?」



「魅佳の支配下に落ちた…」



「学校を!?魅佳ちゃんが…」



「頼れる人が…少なくなってしまった…
美優も…一樹も…」



「数馬くんは?」



「…数馬…数馬がいた!!」



「忘れてたの?」



「数馬には抗体がある筈よ…」



「なら無事って事が考えられるな」



「血液導入は出来ないかったから唾液導入したのよ…」



「今…電話してみる!!
電話お借りします!!」



「遊佳ちゃん…ちょっと待って…多分…魅佳ちゃんは…感染した人を自由自在に操れるのよ…」



「数馬がもし感染していたら…電話では分からないんだ…」



「もしもの事を考えて…海斗を呼んで数馬と有ってきます」



「…それなら許してあげる」



「ありがとうございます!!流風さん」



「えっ?俺は?」



「あっすみません…克之さん」



「もういいよ…」



ピッポパッ



トゥルルトゥルル



「はい菊地ですが…」



「海斗くんの家ですか?
遊佳ですけれども」



「遊佳…どうしたんだ?」



「数馬が無事か…数馬に会いに行こうかと思うの
それで流風さんが…『もしもの事態』の為に海斗を連れてったらどうかって…迷惑なのは分かってるけど…」



「分かった…公園で良いか?」



「数馬も公園で良いよね」



「ああっ」



ガチャン



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