紅い月と蒼い月





「残念だったわね…力は消えなかったのよ…昔集めた紙は…処方箋だったから…薬は…感染した人達を直す為の処方箋だったのよ…あたし達の力を消す為の物じゃないわ」



「ちっ…なら当麻 克之を!!」



「させない!!」



ドスッ



あたしが殺した……



「くっ…アハッ!!残念だったわね!!タイミングさえ外さなければ影響はないんでしょう!?
力が増幅するのが分かる?」



「流水!?」



「今は流水じゃないわ…」



「貴女…流水の生まれ変わりなんでしょう?
あの時した流水の行動とそっくりよ!!」



「気のせいじゃない?」



「いいえ…」



忘れもしない…



克之の両親を殺した日を…



「…………」



ユラァ



スゥー



「流水…貴女はいったい…何をしたいの?」



「……」






キーンコーン



カーンコーン



「梓!!帰ろう〜」



「ねぇ…魅佳が転校したって…」



「転校!?」



なら…魅佳のお母さんもおそらく…感染したわね



「この学校には用はなくなった…そう言ってるみたいだな…」



「海斗…」



「すっかり用済みっぽいな」



「…どこに転校したか分かる?梓…」



「大学病院付属の成城学院だって…」



「病院…危ない!!」



「遊佳?」



「病院は医療施設よ!!
輸血とかあったら間違いなくそこを利用するに決まってる!!
あたしが…魅佳の立場だったら…病院を狙うわ」



「遊佳の説が本当なら大変な事だぞ!?」



「梓はどう思う?」



「血で感染させれるなら…利用するわね
幸い…遊佳が抗体を持ってたからうちの病院で血液検査を装ってできたけど…いくら椎名病院が無事だからって…あっちの方が上よ…」



「海斗はどう思う?」



「わざわざ病院を狙ったあたりが」



「怪しいな」



魅佳の本当の狙いは…

< 28 / 39 >

この作品をシェア

pagetop