紅い月と蒼い月







「遊佳…いよいよだ」



「分かってる…でも魅佳と戦えるか自信ないの」



「…遊佳…」



「ダメね…魅佳と戦わない限り平穏は訪れないのに…」



「………………」



ユラリ



「無駄よ遊佳」



「あの人がユカですか」



「魅佳!!隣の人は誰!?」



「なるほど…確かに不完全な紅ですね」



「貴方…誰!?」



「失礼を…私はフィリップ・ヨハンセン…
以後お見知りおきを」



「魅佳!!」



「海斗…」



「何故…魅佳はそんな事する奴じゃないはずだ!!」



「あたしが変わったのは…海斗のせいでも有るの…忘れないで」



「まさか…魅佳は海斗が好きだったの…」



「椎名 梓ね…」



「魅佳と遊佳を分けた原因は?」



「数馬…それはいつも考えてたのだけれど…」



「あたしと遊佳を分けた原因?
それは海斗でしょ
あたしは祝福しようと思ったわよ…けどそんなのは偽善だと気付いたのよ」



「それはお前の…勝手だろ!?
遊佳を祝福しようと思ったんじゃないか!!
親友だったならなんで…」



「数馬…魅佳は…海斗が好きだったのよ?それは遊佳も同じだわ
魅佳が憎んだのも親友故に…だったんじゃないの?魅佳?
遊佳と親友なら…祝福しようと思っても心に…葛藤は出来るわよ…
でもね…遊佳を殺す事で物事を解決しようとするのは許せない!!」



「すまん…魅佳…でも…」



「うるさいっ!!あんた達なんかに分かる訳ないでしょう!!
悍ましい感情が出て来るのよ!!消そうと思っても消えないのよ!!それどころか増えるばかり!!そんなのを理解出来るっての!!」



ダメ…魅佳の感情に流される…



「魅佳…」



「フィリップ…数馬と梓を殺してちょうだい…」



「分かりましたミカ」



「やめてぇぇぇぇぇ!!」



「遊佳!!」



「来ないで!!」



「梓!!危ない!!」



バキューン


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