紅い月と蒼い月





「梓ぁぁぁぁぁ!!」



許せない…魅佳…



お母さんの分も…梓の分も復讐してやるわ!!



ユラリ



「遊佳待て!!」



「止めないで!!魅佳ぁぁぁぁ!!」



ザスッ



「数…馬」



ゴフッ



「遊佳は…魅佳を殺してどうする…んだよ…」



「イヤァァァァァ!!」



「人なんか殺しちゃダメなんだよ…いくら…お母さんの仇と言っても…それで…魅佳を殺したら…お母さんが悲しむだろ…」



「数馬喋るな!!」



「梓の分も…俺の分も…生きて…くれよ…遊佳…
人を殺さずに…生きて…くれよな…」



「数馬ぁぁぁぁ!!」



「じゃあな…遊佳…海斗…梓と一緒に逝けるんだ…悔いはないぜ…なぁ…あず………さ…」



冷たくなった数馬の手



「海斗…梓は…」



「急所を撃たれた」



「数馬が死んだのはあんたのせいよ遊佳」



「数馬…梓…」



「ミカ…遊佳の目が完全な紅に…染められましたよ…目の色の変化は力を使うと変化するんですね
分かりましたよ
これからの研究に役立てますね」



「そう…良かったわね」



「悲しんでるんですか?」



「そんなんじゃない…」



「海斗…数馬と梓が死んだのは…あたしのせいよ…」



「そんな事はない」



「嘘よ!!あたしが冷静になって梓を椎名病院に連れて行けばこんな事にならなかった!!
数馬はあたしを止める為に死んだのよ!!」



「…………」



「この事件はあたしと魅佳が死ねば解決するのよ…」



「遊佳!!自分を見捨てるんじゃない!!」



「なら…どうすれば良いのよ!!」



「流風さん達のところに帰ろう…」



「(遊佳の精神状態を壊す為に…梓を殺そうとしたけど…)」



最愛の友を亡くした遊佳



一人は殺された



一人は殺してしまった



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