紅い月と蒼い月
「なんですか?流風さん」
「遊佳ちゃんがいないの!!それで置き手紙が…」
「置き手紙!?」
『海斗…ありがとう…流風さんにも克之さんにも本当に感謝しています…
お世話になりました…
あたし一人で魅佳を倒しに行ってきます…
数馬の遺言の約束を破らせてもらいます……
帰らないと思うので…よろしくお願いしますね…
迷惑をおかけしました
遊佳』
「克之さん!!」
「どうした海斗…手紙にはなんて」
「…遊佳が魅佳のところに向かいました」
「なんだって!?」
「数馬との約束は破らせてもらうと…書いてあります」
「……………」
「こんなのって…」
「遊佳を助けに行ってきます…」
「まだだっ!!」
「でもっ!!遊佳が!!」
「感情に流されて行動するのは良くないわ…かつてあたしも……」
「とにかく…遊佳ちゃん自身が何を見つけ…気付くかだ…今の遊佳ちゃんは自分自身を見失っている状況だ…俺達は見守ってるしかないんだ」
「そうかもしれません…でも俺は遊佳が心配なんです!!数馬の件で見失ってるかもしれない…それでも俺は信じてます!!数馬の遺言を守ってくれると」
「海斗…貴方は克之にそっくりね…克之はそこまで感情を現わにしなかったけれどね…」
「遊佳が後悔にしないように…そして数馬の約束を守ってくれるように…
俺は…遊佳の元へ行きます」
「…止めても無駄だな」
「じゃあ!!」
「ただし俺達も行く
お前らだけだと心配だからな」
「魅佳ちゃんは多分…病院ね」
「(遊佳…待ってろよ!!)」
熱い想いを秘め…
少年は愛しき人の元へ参る