紅い月と蒼い月






同時刻



病院前



「遊佳…来たのね」



「魅佳…貴女だけは許さない!!」



「許さなかったらどうするのよ?だいたい数馬が死んだのはあたしのせいでもない…あんたの力で数馬を殺したんでしょ?
ならあたしが恨まれる意味はないじゃない」



「…………くっ…」



「反論出来ないなら事実だわ」



「…数馬が死んだのはあたしのせいよ…
確かにあたしのせいなのに!!それでもあたしは魅佳を殺さなければならないのよ」



「悲劇のヒロイン気取り?ふざけないで!!
回りの人間が殺されたくなければ海斗を寄越しなさいよ!!
あたしがあんたと対立するのに後悔はないわよ!!自分の欲望に忠実だもの!!もっかい教えてあげる!!あたしは海斗が欲しいの!!その為なら回りの人間なんかどうだって良い!!」



「海斗が欲しいと言っても海斗はあたしを選んだ!!いまさらながら貴女と対立した事…後悔してる…海斗と別れても…解決はしない…だったらあたしは…一番最良の方法を取ったの!!」



「あんたもあたしと変わりはないわよ!!
結局は海斗と別れたくないからあたしを殺すんでしょう?」



「そんなんじゃない…あたしは貴女を解放してあげたいだけなの…」



「人を殺して解放する?バッカじゃないの!?」



「あたし…貴女と親友で後悔はしてない」



「あたしは全てにおいて後悔してるわ
あんたなんか大っ嫌い!!」



「………母の仇!!」



「待て遊佳!!数馬の遺言を忘れたか!?」



「海斗…何故此処に!?」



「もらった!!」



「キャア!!」



「待て魅佳…お前がそんなに俺が欲しいならくれてやる…だけど心はやれない…体だけでもやるよ…心は遊佳のだからだ」



「そんなに遊佳、遊佳…うんざりよ!!」



「魅佳…」



「フィリップ!!遊佳を殺して!!」



「かしこまりました…ミカ」



「貴方が梓を殺したのね…許さない!!」



「おやおや…次の目標は私ですか…」



「梓の仇!!」
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