紅い月と蒼い月



ザシュ



「酷い方ですねユカ」



「なっ…魅佳…貴女何かしたわね!!」



「気付いた?そうよあたしの血をフィリップに注射したのよ」



「なんて事…」



「ですから私と貴女は平等ですよ」



「ちっ…フィリップさっさとやって!!」



「そーいう訳ですから
死んで下さい」



まさか…フィリップさんまで…



「遊佳…帰ってこい!!」



「ユカに良い知らせを持って来たのですが…」



「なに…それ…」



「同時にミカにも良い知らせですね」



「なんなのよ」



「処方箋ですよ」



「えっ!?」



「なっ!!」



「ユカにとっては感染した人を直すアンプルです
ミカにとっては抗体が入った人間を感染させる事ができます」



「ふぅん…なら海斗を感染させれるって事ね」



「感染した人を直せるのね…学校のみんなや病院の人も」



「まぁお二方の言っている事ですね」



なんて奴だ…魅佳が持つか遊佳が持つかで世界が決まる



「フィリップさん!!処方箋をちょうだい!!」



「あんたあたしに忠誠を誓ったんだから…分かってるわよね」



「どうでしょうね
この処方箋を作った方はお二方が自由にしなさいと…つまり早い者勝ちです」



「あたしに従えないのなら殺すっ!!」



「無駄ですよミカ
私は貴女方より力は強いはずですからね
研究室に残っていたんですよ」



ザッ



「まさか…貴女は……」



「流風さん!?」



「ジーン・ヨハンセンの血が」



「やっぱりか…」



「克之さんまで!?」



「でも今私のところに処方箋はありません
五人の方々に預かってもらってます」



「最初に探した方が…手に入れれるって事か」



「じゃあ先に行かせてもらうわ
フィリップ案内して」



「案内は出来ませんよ
ゲームは平等に…早い者勝ちですから」



「ふんっ!!まぁ言い訳」
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