紅い月と蒼い月
翌日
「見て」
方向をあたしに向けて手を前に差し出しながら走ってくる
「最初で最初に見せてあげる」
危ない!!
ズブッ
…状況を理解出来ないけど
確かに魅佳の腕があたしを貫通している
スッ
痛く……ない…
「助かったか」
貫通してたけど…抜いたら傷がなかった
「なにこれ!?貴女いったいどうしたの!?」
「わかんない…けど…あたしね海斗好きなの」
「知ってるわ」
「あの日はあんたたちを祝福しようと思った……
でもそんなのは偽善だと気付いた…あたしは海斗が欲しいの!!その為ならあんたでも殺す!!」
「やめ…て…」
「力が有るのが分かるのよ
遊佳…死んで」
「元に戻って…」
「無駄よ…」
「キャアァァァ!!」
ガチャ
「あらなぁに騒がしいね」
「ちょっと脅かしたらビックリすんだもん
こっちもビックリだよ
沙織ちゃん」
沙織とはあたしの母なのだけど魅佳は仲が良い
「だったの魅佳」
「こっちが驚くわ!!」
あたしも驚くわよ
「あー笑った…そうそう明日退院だってさ」
「らっきぃ!!沙織ちゃん教えるの遅いし〜」
お母さん笑ったの!?
「なにを!?魅佳めー!!こうしてやるっ!!」
コチョコチョ〜
「アヒャッ!!うえぁ〜ギブッギブ〜」
「許してやる〜」
「沙織ちゃん恐ろしいわ!!」
さっきの魅佳は…きっと夢だね
いつもの魅佳…だもの