そうして今日も僕達は
『私だけを、見て欲しい』

どこまで目の前に居る彼に、神経を侵されてしまっているのかと、自分で自分に嫌気を感じる。



けれど ああ もう



「―斎くん」

「んー?」

「すきよ」

「わー何か瞳サンが可愛いこと言ってるー」

「うるさいわね」

彼の手がそっと私の髪をかきあげ、頭の後ろへと回される。
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