ウソツキの王様。
「わしもみんなにひどいことをした。嘘ばっかりついた。本当は寂しいんだ。

今では1人ぼっちだ」

涙がこぼれた。王様はエンエン泣いた。

うさぎの格好をした狼は王様のマントをちぎって渡してくれた。

「拭けよ」

それは王様のやつだったけど

お気に入りのマントだったけど

王様は怒らなかった。


胸の近くて深いところがぽかぽかした。

「1人ぼっちじゃないよ」


うさぎの格好をした狼はうさぎの格好の服を脱いだ。

「2人ぼっちだよ


狼のままでも友達が出来た」


狼は目を細めて笑った。

 
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop