永遠の約束-約束のはじまり-


「朝ね、職員室に用事があったから、ちょっと行った時に聞いたんだけど、実は和田さんが行方不明になった原因は彼女の担任にあるみたいなの」


「和田さんのクラスの担任って……、確か、倉知だよな」


「うん? あたしはよく知らないんだけど、そうなのかな?」





 担任が?


 俺とのこと以外に担任と何かしらの諍いでもあったのか?





 綺羅は顎に手を添え、少し思考する。


「なんかね~、遅くまでお仕事頼んじゃったみたいだよ。それで、遅くなったことに原因があるんじゃないかって、なんか言われてたよ」


「そうか」





 自分が原因ではないかもしれないということで、少し心は軽くなったが、だからと言って、行方不明である和田あゆみが見つかるまでは、完全に綺羅の心が晴れることはないだろう。





 綺羅はそこまで聞くと、体を前に向けた。





 事件性がなければいい。


 だけど、自分に巣食うこの不安は何だ?





 綺羅は無意識のうちに自分の首から下げてあるペンダントを握り締めた。
















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