永遠の約束-約束のはじまり-
「もちろん、決まってるじゃない。調査よ! 相手は麻生くんに告白したと言うあの和田あゆみよ。なら、私たちにも無関係な話じゃないわ」
「いや、無関係だろ」
即座に突っ込む柏葉を慈はキッと睨みつける。
「あんたね、同じ部活の仲間の麻生くんの一大事を見て見ぬフリするつもり?」
「いや、そもそも、仲間とかそんなことが問題なんじゃなくて、それは警察の仕事だろ? 何も俺たちがやらなくても………」
珍しく正論の柏葉に綺羅は頷いた。
「何を言ってるのよ。今まで数々の事件を解決してきた私たち、この天文部。今こそ立ち上がらなきゃ、いつ立ち上がるのよ!」
お前はどこの指導者だ。
綺羅は立ち上がり、熱く語る慈を見て溜息を漏らした。
ここまで熱くなられていると、どんなに自分たちが止めようとも慈は強行してきそうな気がしてならなかった。
「慈………。でも、それって無理じゃないかな~?」
熱く語っていた慈に真里は冷静な口調で話しだす。
いつもはあまり意見を出さない真里の言葉に慈は振り上げていたこぶしを下ろし、耳を傾ける。
「どういうこと? 真里………」
「ん…。この前から、綺羅くんとは話してたんだけど、もう退治とかそういうのは辞めようかって」
「え………? ちょっと、待ってよ。どういうことよ、それ」
バンッと机を叩き、綺羅と真里の顔を見てくる慈に綺羅はそれは本当だと意思表示するために頷いた。