永遠の約束-約束のはじまり-
「綺羅。お前、行方不明になったあの和田あゆみに告白されたんだって?」
興味津々という顔で聞いてくる翔に綺羅は「またか…」とうんざりする。
「先輩のところにまで噂が流れてるんですか?」
「まあね」
苦笑する翔を見ながら、綺羅は溜息を吐く。
同学年だけじゃなく他学年にまで噂が流れているとは………。
これだと、みんながこの話に飽きるのを待つしかなさそうだ。
「そんな顔するなって」
翔は綺羅に近づくと、綺羅の肩をぽんぽんと叩く。
「それで、先輩。今日はどうしてここに?」
真里が首を傾げながら、翔に聞くと翔は苦笑する。
「おいおい、俺も天文部の部員だぞ。用がなければ来ちゃダメだってか?」
「え………? いえ、別にそういう意味では!」
焦って、両手を使って否定する真里。
そんな真里を見て、翔は愉快に笑う。
「冗談だって! 相変わらず、真里ちゃんは冗談が通じないな」
「せ、せんぱい~!」
咎めるように翔をねめつける真里に翔は「ごめんごめん」と軽く笑ってかわす。