永遠の約束-約束のはじまり-
真里は少しだけ、翔や綺羅と距離を取ると、目を閉じ開いた両手のお互いの親指と人差し指をつけひし形の形を作る。
すると、建物の中にいるのにも関わらず、真里の髪を押し上げるように真里の周りにだけ風が吹き流れる。
「あいかわらず、すごいな………」
翔が真里の姿を見ながら、感嘆の声を漏らす。
その声に導かれるように真里はハッと目を開けた。
「中等部の部室棟に高い霊気を感じる」
「悪霊か!?」
間髪いれずに聞く綺羅に真里は力弱く首を横に振った。
「わからない。ただ、高い霊力の波が二つ見えたの。そして、もう一つ………。それが、とても嫌な気を放っていて………」
真里は自分の腕を掴むようにして座り込む。
「怖かった………。あんな危険な気………初めて……、ううん、前に一度………。そうっ! あの洋館で感じた気と同じ………」
真里のその言葉に、綺羅の身は竦む。
あの時と、同じぐらいの………。
あの悪霊は結局自分が倒したのかどうかもわからない。
それと同じぐらいの霊だと?
倒せるのか?
俺に………。
嫌な汗が綺羅の額にじんわりと浮かんだ。