永遠の約束-約束のはじまり-
「どうした? 大丈夫か、綺羅?」
綺羅の様子が変だと気づいた翔は綺羅に声をかける。
その声に促されて、綺羅はハッと意識を戻した。
「はい、大丈夫です。………たぶん」
「たぶん? たぶんってどういうことだ? 何かあるのか?」
一度引き受けた仕事。
簡単に放り出すことなんてできない。
それに、これは綺羅たちにも関わる事件だった。
校内で起きたこの事件はいずれ、自分たちの身にも降りかかってくる。
だから、投げ出す気になんてなれない。
でも、ここで翔に何も話さないわけにはいかない。
綺羅は真剣な面持ちで翔を見つめた。
「先輩………。もしかしたら、俺たちは先輩の期待に添えないかもしれません。真里が感じた霊気がそうなら、俺と真里には手が出せないかもしれないです。それどころか、一緒にいる先輩にも危険が………」
初めこそ驚いた顔をした翔だが、すぐに翔はフッと笑う。
「大丈夫だよ。手は打ってあるから」
唐突に自信満々で言う翔に綺羅は隣で自分と同じように不思議そうな顔をしている真里と顔を見合わせる。
「どういうことですか? 先輩………」