永遠の約束-約束のはじまり-







     * * *











 (同じように見ていれば、あの時の深青(みお)の気持ちがわかるかもしれない。そんな風に思って、何度もこんな風に寝転んで空を見上げた。吹っ切ろうと思ったのに、今もこんな風に空を見上げてしまう………)



綺羅は片手で目を覆うと、唇の端を上げる。


忘れたい………、だけど、忘れられない。


自分でもおかしいとはわかっている。


綺羅と深青が別れてから7年も経っている。


それも小学生の時の子供の頃の想いを引きずって………。


(俺は怖いんだ)


綺羅は自分から吹っ切ろうと、忘れようと思って好きになれるかもしれないと松方先輩の告白を受けた。


だけど、本当にこんなにも思い続けていたこの気持ちを忘れることができるのかと、そんな綺羅の心の中の不安を真里に見透かされてしまうんじゃないか。


そう思って、綺羅は逃げるようにここに来た。


だけど、ここに来たそのことが、綺羅が深青との思い出にこだわっているという証拠だ。





(これも………忘れないといけない。もう屋上に来ることは止めよう。今日が最後だ)




元々、ここは立ち入り禁止。


それを綺羅が生徒会役員の特権で今まで勝手に来ていた。


綺羅にとってはちょうど、止める潮時なのかもしれない。










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