永遠の約束-約束のはじまり-
「今は、そういうことがあって頓挫しているけど、春休みに旧校舎の取り壊しは決定していたんだ。それで、作業にかかり始めたらこのざま」
両手を挙げて、「お手上げだ」と言う翔に綺羅たち四人の口は開いたままだった。
冷静に受け止めているのは礼香と真之の二人のみ。
「そのことで、あたしたちは清涼学園から正式な依頼を受けたの」
「それで、二人一緒に転校を?」
「うん!」
真里が口に出した質問に、間髪いれずに礼香は答えた。
転校してきた時に、時期も時期だったのに、二人ともが同じクラスに編入してきたことに驚いてはいた。
その疑問がようやく解けたようで綺羅は妙に納得した。
「真之はあたしのパートナーだし、一緒にということで」
常識からは逸脱した話ばかりだが、すでに自分が持つ力も常識から外れたもの。
綺羅はこの突拍子もない話をどうにか自分の中で納得させようとした。
「それにしても、『一陣風霊会』ってどんな組織なの?」
約一ヶ月ほど前は、諍いを起こしていた慈だが、すでにそんなことは記憶からなくなってしまっているのか身を乗り出して、礼香に問いかける。
礼香は顎に指を置き、上を向いて少し考える。