永遠の約束-約束のはじまり-
「う~んとね………。まあ、こういう感じの霊とかを退治する組織? こういう力を持つ子って親から疎まれたりするんだよね~、気味が悪いって」
あはははと軽く笑いながら話す礼香だが、話の深刻さに聞いていた四人の表情は固まる。
「だから、あたしも真之も親から捨てられたの。そんな能力を持つ子供たちを引き取って育ててくれているのが『一陣風霊会』。身寄りのないあたしたちには、組織っていうよりも自分の居場所を作ってくれた家かな?って…あれ?」
明るく言ってのけた礼香はみんなが暗い表情をしていることに気づく。
「もしかして、暗くなっちゃった? 今では笑い話ぐらいになっちゃうんだもん。気にしないでよ~」
気にしないでと言われたところで、そんな話を聞かされては気にならないはずがない。
綺羅たち四人が口を閉ざしていると、いきなり綺羅はポンッと肩を叩かれた。
「お前たちがそんな顔をしていると、逆に傷つけたりするものなんだぞ。気にしないでいてやるのも優しさというものだ」
それは、本人たちの目の前で言ってはいけないことなのでは………。
それこそ、少しは気にしたほうがいいとばかりに綺羅は笑っている翔を呆れた顔で見つめた。
「気にするな。俺たちは、親と一緒にいるよりも幸せなのだからな」
聞き取れるか聞き取れないかわからないほどの声で呟くその声に綺羅は目を向けた。
海堂………。
ほとんど口を開くことのない真之。
だけど、綺羅はその言葉に、目があった真之に笑みを浮かべた。