永遠の約束-約束のはじまり-
「だから、それほど騒ぐこともなかった。ただ、自分がどこに行っていたのか、行方不明になっていた間のことは覚えていない。それだけだ」
それだけでも、十分じゃないか?
「あの、龍野先輩。その行方不明になったとかならないとか、そういうことになったのは一人だけですか? それとも………」
「俺が知ってるだけでは六人だ」
「六人も!?」
真里は驚きすぎたのか口を開けたまま、暫し放心する。
そんな真里に少し視線を向けてから綺羅は翔へと視線を向ける。
「その話はいつぐらいからだったんですか? もしかして、学園七不思議の二番の旧校舎の取り壊し業者が怪我をするということが始まった時期と重なっていたり………」
そこまで言ったところで、翔は急に拍手をしだした。
「さすがだな、綺羅。そのとおりだよ。おかしな現象が起こりだしたのも行方不明者の話が出始めたのもこの頃だ」
二つの不可解なことが同じ時期に………。
ことがことなだけに、まるで無関係とは思えない。
綺羅は思案のために俯いていた顔を上げる。
そして、じっと黙って聞いている礼香を見た。
「宮城。お前たちは、どこまで知ってるんだ? このことを調べるために雇われたんだろ? お前たちが転校してきてからだいぶ経つ。どこまで、わかってるんだ?」
問いかけられた礼香は一瞬真之の顔を見てから頷いた。