永遠の約束-約束のはじまり-
「それはそうと、中等部での霊は何か関係していたのか?」
綺羅が考え込んでいたのだが、翔のこの言葉に綺羅は顔を上げた。
そうだ。
あの霊。
どうして、こんなところに。
確かあれは洋館にいたはずなのに。
「それはわかりません。あたしたちは学校内をローラーにかけていたら、あの霊の反応があったので退治していただけで」
「そうか。それじゃ、関係しているとは言えないな。それに、すでにあの霊は君たちが倒してしまったしな」
「はい!」
誇らしげな礼香に綺羅は複雑な表情を向けた。
あの化け物には確か少女たちの霊が………。
ただ、俺たちの油断を誘うためかとも思うけど、だけど、確かにあの化け物には少女たちの霊が捕まっていたはずだ。
「あの、宮城」
「ん?」
「あの化け物には、小さな女の子の霊が捕まってたり…」
「うん。してたね」
「お前………」
知ってて、攻撃して退治してしまったのか?
信じられない思いで綺羅は礼香を見る。
「可哀想だけど、仕方ないよ。一に優先なのは、生きている人間のほうなんだから」
それは、まともで至極当然の答えなのかもしれない。
だけど、綺羅は納得がいかないようだった。
すでに話は終わったとばかりに、気になる点を翔に話している礼香の声が綺羅の耳に入っては抜けていく。