永遠の約束-約束のはじまり-
昼休み。
じと~っとした目で綺羅のことを見据える真里。
同じクラスで一時は離れたとは言え、幼なじみの二人は一緒に昼休みを過ごすことが当たり前になっていた。
そして、緊迫した二人の間に座る柏葉はこの空気に気づいていないのか、暢気に弁当を食べていた。
綺羅はチラリと真里へと視線を向ける。
真里は知ってか知らぬか素知らぬ顔で静かに弁当をつつく。
真里が自分に対して何が言いたいのかわかっている綺羅は一向に何も言ってこないことに戸惑いながらも何も言えずにいた。
「あっ、そうそう。お前さ、今朝、真里ちゃんが言ってたけど、松方理佐子と付き合うことにしたって、マジなわけ?」
この場の雰囲気を全くわかっていないKYな柏葉に綺羅はハッとした視線を向ける。
途端に今までの重苦しい空気がもう一つ重くなった気がした。
「そういや、お前いいの? 松方先輩と付き合ってるんだったら、今までみたいに俺たちとこんなところでメシ食っててさ」
またも、空気の読めない柏葉の言葉に綺羅は声を出さずに口だけで『余計なことは言うな』と動かす。
「それにしても………、あの時は告白断ってたのに、とうとう、綺羅も松方先輩の魅力に気づいたんだな」
うんうんと一人納得する柏葉は綺羅が先ほど口だけで言っていたことなど、全くわかっていなかった。
「雅俊(まさとし)~………」