永遠の約束-約束のはじまり-





 そもそも、あいつと俺との霊の認識が違いすぎるのか?


 たぶん、誰もが宮城の考えのほうを持っている。


 俺だって、もし、どうしても霊と生きている人間とのどちらかを選ばなくてはいけないと言われたら、生きている人間を選ぶだろう。


 だけど、初めから全て切り離して考えることはできない。


 俺はそんな風には教えられてこなかった。


 この能力を持つことの責任と重み。


 そして、霊に対する考えを。





 綺羅は無意識のうちに首に下げているペンダントを握り締める。






 いつの間にか癖になっていた。


 落ち着かなかったり、不安に感じた時にペンダントを握り締めることが。


 だけど、綺羅本人は無意識のうちにそうしていることに気づいていなかった。


「疲れた………」






 呟きながら目を閉じると、自然と綺羅は深い眠りの世界へと誘(いざな)われていった。













< 161 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop