永遠の約束-約束のはじまり-
周囲に見えるのは霧………?
それとも靄?
目を開けた綺羅の視界にまず入ってきたのは真っ白く覆われた世界。
あまりの白さに自分の足元さえも見ることがかなわない。
綺羅は不安に思いながらも、ゆっくりと歩みを進めていく。
立ち止まっていればいい。
だけど、まるで何かに導かれるように綺羅はゆっくりと足を進めていった。
どこまでも続くかと思えていた白い霧は、ある時、フッと途切れた。
その瞬間、一面に広がる暗い世界。
「な、なんだ? ここは………」
周囲を見渡す限りでは、広い日本家屋………とは言いがたい。
それは、テレビの歴史番組の再現などで見たような景色。
大きく太い柱が何本が整列して立ち並ぶ。
そこに敷き詰められているのは板だ。
そして、その先に、一段だけ上がった場所。
そこには、見えないように御簾がかけられていた。
綺羅はそれらを一望した後、ゆっくりと板の上を歩いていく。
そして、御簾の前まで来た後、御簾をゆっくりと上げた。
「・・・・・・・・・!!!!!」
御簾を上げた瞬間、綺羅はあまりの驚愕に目を見開いたまま、その場に立ちつくす。
「これは………俺?」