永遠の約束-約束のはじまり-
「真里………」
「ん?」
「もしかしたら、これまで何回もあった行方不明事件。本当に狙っていたのは和田さんだったんじゃないか?」
「それって、どういう………」
突然の綺羅のこの言葉に真里は綺羅が何を言いたいのか言葉の真意がわからなかった。
「つまり、今までのは本番のための予行演習」
「ちょっと、待ってよ! そんな何かのイベントの練習とかじゃないんだよ。人を攫う。それも、もしかしたら霊の仕業かもしれないって言ってるのに………」
「そこだよ。そもそも、俺たちは霊による仕業だということで、和田さんが行方不明になっていることは彼女自身には関係のないことだと思っている。だから、彼女のことをこれといって調べようとはしていない」
「それは…、まあ………。でも、今まで聞いたこともないし、常識ではありえない」
真里は暫し考えるも、納得がいかないのか頭を振る。
「だって、それってつまり、霊たちが自分の意思を持ち、和田さんを攫ったということでしょ? そんなのって………」
「わかってる。俺だって、こんな話、常識的には考えられないって。だけど、思い出したんだ。俺が如月のおじさんから聞いた話を………」
「如月のおじさんって………、深青ちゃんのお父さん?」
「ああ。俺がまだこの力の使い方を教わっていた時に何気なく話してくれたことだったけど」
「おじさんは、なんて!?」