永遠の約束-約束のはじまり-
「『深青のように式を使うものがいれば、それと同じように強い力を持つものは霊を自分のコマのように使うものもいる。だから、力は正しく使わなくてはいけない』ってね」
真里は聞いた後、力なく笑う。
「そ、そうだよね。私たちは深青ちゃんの式は『式』としか認識してなかったけど、あれも考えれば霊の一種と同じだよね。じゃ、じゃあ、今回のことも…?」
「確信は持てないが、もしかしたらな………。それに、もう一つ。気になることがある」
「え?」
真里のほうを向いていた綺羅だが、視線はまたも窓の外へと向ける。
「相楽の依頼で、洋館に行っただろ? その時の霊がなぜかまた校内に現れた。俺を追ってきたと言われれば、それだけのことかもしれないが………。もしかしたら………」
「誘導されて来たって………こと?」
真里の言葉に綺羅はコクリと頷く。
「こんな考えは間違っているのかもしれない。だけど、もし、何者かが目的を持って和田さんを誘拐し、そのことで霊たちを使ったのなら………」
「ちょっと、驚きだけど、ありえない話じゃないよ。おじさんがそんなことを言っていたということは、そういうことは可能だって話だもん」
興奮気味に立ち上がる真里に綺羅は真剣な眼差しを向けた。