永遠の約束-約束のはじまり-
「知らないのも無理はないわよ。隠れてうまいことやってたみたい。同じクラスの子にはさすがに性格の悪さはばれてたみたいだけど、他のクラスの子には知られてなかったんじゃないかな」
「でも…、きつそうな顔はしてたよな」
宙を見ながら、雅俊は一人呟く。
そんな雅俊に一瞬視線を向けてから、綺羅はホワイトボードへと目を向けた。
「隠れてうまいことって…一体何をしてたんだ?」
「いじめよ」
「いじめ?」
サッと言い放つ慈に綺羅は聞き返す。
自分に真剣に告白してきた和田あゆみの姿を思い出すが、そんなことをするようには全く見えなかった。
「それにクラスではリーダー的な存在で、和田あゆみに逆らうとどうなるかわからないとまで思われてたみたい。だから、やりたい放題だったんじゃない? クラスの中では」
「へ~…。じゃあ、こんな目にあって喜ぶ奴もいるわけだ」
雅俊の何気ない一言に慈は力いっぱい頷いた。
「クラスの大半はそうみたい。女子だけじゃなく、男子にもかなり酷いことしてたみたいだし。本当に心配してるのは教師と和田あゆみと特に親しい子たちだけじゃないかな」
「なんか、それって……寂しいね………」
「そんなの、自業自得じゃない? こういうことがあると、その人の人徳とかって表に出てくるじゃん。心配されなくても仕方がないんじゃないかな? 真里ちゃんは優しすぎなんだよ」
「柏葉くん………」