永遠の約束-約束のはじまり-
「相楽。お前はどう思う? 俺は、確信は持てないけど、やはり、何か和田あゆみでないといけない何かがあるように思えるんだ。どうしても、引っかかる」
「それは………。私も麻生くんに言われてこうやって調べると、そんな気もする」
やはり……。
慈も同じように思っているのだと、綺羅は少しばかり自信を持つ。
「だけどね……、霊を操るなんて非科学的なことをできる人間がそうそう居るとは思えないのよ」
自信を持ってすぐに慈に否定され、綺羅は黙りこんだ。
慈の言っていることは一般的な人から考えれば当たり前の考えだ。
自分や真里のように力を持つ人間はそうはいないことも綺羅自身が一番わかっていた。
だけど、どうしても引っかかる。
それがなぜなのか、それがわかれば、自信のない自分の想像は確信へと変わることを綺羅自身よくわかっていた。
「じゃあ、慈は和田さんの事件は誰があやしいと思ってるの? 霊の仕業? それとも、人間の仕業?」
何も言えずに考え込んでいた綺羅は真里が慈に尋ねているのを聞いて、顔を上げた。
「それは………。普通の人間………とは言いがたいわよね。私だって、何度も真里たちの力を間近で見てるから、霊の存在を人よりもよくわかっているつもり」
「じゃあ…」
「うん。私もこの事件は霊が何かしら絡んでるとは思ってる。だけど、私には霊を人が操るという発想までは想像できないのよ。そんなことができるなんて………」