永遠の約束-約束のはじまり-
内心、冷静になろうとしながらも、それでも恥ずかしさのあまり顔に熱が集まってくるのが自分でもわかる。
綺羅は赤くなった顔を見られないようにあえて、顔を下げた。
そんな綺羅をちらりと見てから、真里は気になることを聞き出そうと口を開いた。
「でも、ちょっと、待って。それって、綺羅くんが二人に捜査に参加させて欲しいと言ったところから始まってたの?」
真里の言葉に、礼香は困った顔をしながら隣に立つ真之の顔を見た。
「ごめんなさいね、麻生くん。別に麻生くんの力を信じてないとかじゃないの。今回の敵は予想以上に強力で、実はあたしたちにも慎重さが必要だったの。外堀を順番に固めていって念入りに作戦を立ててから行動を起こそうと思ってて」
「別に謝ることじゃない。俺もそれほど自分の力を過剰評価はしてないから。どうしようもないことがあるのはわかってる」
ようやく、少しだけ気分を戻した綺羅は苦笑しながら顔を上げた。
「ただ、行方不明になる直前に俺と関わりがあった女だっただけに、少し気になっただけだ。それだけだから、お前たちが気に病む必要はないよ」
「そう言ってもらえると、こっちとしても気が楽だ。だけど、霊を操る者がいるかもしれないというところまで考えつくとは、予想外だったよ」
真之はニッと口の端を上げながら、綺羅たちを見てくる。
「普通の一般人の考えからは想像もつかない考えだからな。元々、霊というものは人に取りついたり、過去の未練や怨念などから悪霊になったりする。誰かに操られるなんてことはしないものだ。だからこそ、誰かが操るなんて考えは普通なら浮かばない」
「それは、おじさんが言ってたから」
「真里!」