永遠の約束-約束のはじまり-
雅俊の気持ちは綺羅にも少しはわかるつもりだった。
あの時、深青からもらったペンダントに問題があるのかもしれないと言われた時。
直接的に深青が悪いとは言われなかったが、それでも遠まわし的にはあるが言われたも当然のことだった。
それだけでも、綺羅としては納得もいかなかったし、何より深青がこの事件に何かしらの関係を持っているなんて思えなかった。
きっと、雅俊もあれだけの証拠を突きつけられようとも納得はいっていないのだろう。
「コーヒーは後で持ってくるってさ」
「・・・・・え? あ、ああ」
心ここにあらずという雅俊は綺羅の言葉にハッと顔を起こし、なんとか作った笑みを浮かべた。
綺羅は特に何かを言うこともなく、茶菓子が入った器を雅俊の前に置いた。
部屋には座卓のようなものは置いてない。
だから、そのままフローリングの床に置くという形だ。
今は夏だからいいものの、冬ならこうはいかなかった。
「サンキュ」
雅俊は出された茶菓子の器にそっと手を伸ばして、ポテトチップスをつまんだ。