永遠の約束-約束のはじまり-
暫くの間、二人の間に会話はなかった。
ただ、何も話さず出されていた茶菓子を食べる音だけが部屋の中で鳴っていた。
どれぐらいの間だったのだろう。
綺羅はゆっくりと顔を上げると雅俊に直球で言葉を投げかけた。
「お前は、この事件に光浦が関わっていると思うか?」
力なく顔を上げた雅俊はゆっくりと首を横に振った。
「正直なところ………わからないんだ。あいつがこの事件に関わっているのかどうかなんて」
「雅俊………」
「もちろん、信じたい。吉備がこんなことに関わっていないって」
苦しそうに顔を歪め、両手の拳を握りしめる雅俊。
そんな雅俊に綺羅は何も言わずに、黙っていた。
「だけど………。もしかしたらって、思う自分もいるんだ」
「それは、お前が光浦がいじめを受けていたことを知らなかったからか?」
「それもある。だけど、よく思い出していたら、俺たちは他愛のないことはいくらでも話した。だけど、心を割ってまで深い話はしたことがなかったんだ。あいつがいじめられていたということはもちろん。先祖が神社の仕事をしていたなんて」