永遠の約束-約束のはじまり-
「先祖が宮司をしていたなんて、もしかしたら光浦自身も知らなかったことかも知れないだろ」
「そうかもしれない。だけど、なんか、俺は吉備の何を知ってたんだろうって、急に不安になってきたんだ。俺はあいつの本当の友達だったのかって」
ギュッと目を閉じ、唇を噛み締める雅俊を綺羅はじっと見る。
そして………
「確かに、友達ではなかったかもしれないな」
はっきりと言われたことに、雅俊は顔を上げる。
「だけど、逆に仲のいい友達だからこそ、言えなかったのかもしれないだろ?」
反論の一つでも言おうとしていたのかもしれない。
だけど、予想外の綺羅の言葉に雅俊は口を開いたまま、一瞬、何も言えなかった。
「それって、どういう………?」
「だから、言葉のとおりだよ。友達だから何でも話せるってわけじゃないだろ? 内容が内容なだけに、特に話せなかったのかもしれない。いじめを受けているなんてどれだけ親しくてもそう簡単に話せる話じゃないだろ」
「そうかもしれない。だけど………!」
クッと苦しそうに目を閉じる雅俊。