永遠の約束-約束のはじまり-
「雅俊くん!」
その隙に部屋の中に入り込もうとしていた美恵子の腕をおもいっきり引っ張り、綺羅は部屋の外へと追い出す。
そして、自分も部屋の外に出ると背中越しにドアを閉めた。
「ちょっと、綺羅。なにするのよ」
「それはこっちのせりふ。下で俺が言ったこと忘れたのかよ。大事な話があるって話」
「もちろん、覚えているわよ。だから、あんたじゃ頼りないから、母さんが雅俊くんの相談に乗ってあげようと………」
「母さん………」
そこまで勢いよく言った美恵子に低い声で綺羅は母を呼んだ。
あまりの綺羅の声の低さと威圧感に口を開いた美恵子もぴたりと閉じる。
「俺、さすがに軽蔑するから」
「軽蔑? それって、母さんのこと?」
「当たり前だろ。他に誰がいるんだよ。好奇心旺盛なのはいいけど、そこまで入り込んでこようとするのなら、俺は軽蔑する」
途端に、美恵子は必死に顔を横に振った。