永遠の約束-約束のはじまり-
まだ、何も決定的な証拠を見つけていない今は霊と戦うとかそういうところまで行かない。
今回のことだって、調査が一番の名目だった。
だから、雅俊と二人だけで調べようと綺羅は思っていたのだが………
「ハァ~…」
一つ息を吐いたかと思うと、綺羅は真里と慈を見る。
「何を言ったところで帰る気なんてないんだろ?」
「当たり前じゃない!」
当然とばかりに言い切る慈。
その隣で真里はコクコクと何度も頷いている。
「わかったよ。もう、帰れとは言わない。だけど、一つだけ確認しておく。お前たちは光浦のことをどう思ってるんだ? 俺と雅俊は確証はないが、他に真犯人がいるかもしれないと思っている。お前たちはどうなんだ?」
慈と真里はお互いに顔を見合わせる。
「正直なところ、何も確信がない今の状態では宮城さんたちが言っていたことは筋が通っているし、光浦吉備が怪しいとは私も思う」
まっすぐに綺羅を見つめ言う慈が偽ることもなく、今自分の本当に思っていることを話しているのは綺羅にも感じ取れた。
だからこそ、その考えにあえて反論しようとは思えなかった。
「だけどね、それが全てだとは思ってないよ」
予想外の慈の言葉に綺羅だけではなく、雅俊も目を見開いた。